私は70歳です。65歳から老齢基礎年金を受けています。老齢厚生年金を受けていた夫が先月他界しましたが、諸事情があって相続放棄を考えています。そうした場合、夫の厚生年金の遺族年金はどうなるのでしょうか。
【回答】
まず。遺族年金について説明します。老齢厚生年金を受給中の方が亡くなったとき、その方によって生計を維持されていた遺族(配偶者、子、父母、孫、祖父母の中で優先順位の高い方)に遺族厚生年金が支給されます。生計維持の定義ですが、生計を同じくしていること。別居していても、仕送りをしている。健康保険の扶養家族である場合は認めらます。そして、前年の収入が850万円未満であることです。これらの条件がそろえば遺族厚生年金を受ける権利が発生します。
そこで、相続放棄した場合ですが、遺族年金は夫の財産ではありません。遺族がその固有の権利に基づいて受給するもので、つまり、遺族であるあなたの財産です。
したがって、相続放棄をした場合でも、遺族年金は受け取れます。あなたは老齢基礎年金と遺族厚生年金を受給できます。
また、年金は後払いであるため、死亡した月、あるいはその前月の年金は本人は受け取れません。これを未支給年金と言います。これも遺族年金と同じように、遺族が受け取ることができます。相続放棄をした場合でも同じです。